CMakeの"string()"コマンド:ユースケースとサンプルコードで徹底解説

2024-06-17

CMakeにおける"string()"コマンドの解説

"string()"コマンドは、以下の基本的な構文を持ちます。

string(COMMAND <variable> [<arguments>]...)

この構文は以下の要素で構成されています。

  • COMMAND: 実行する具体的な操作を指定します。CMakeでは、数十種類の"COMMAND"が用意されており、それぞれ異なる機能を提供します。
  • <variable>: 操作の結果を格納する変数を指定します。
  • <arguments>: COMMANDによって必要な引数を指定します。引数の数はCOMMANDによって異なります。

主な"COMMAND"とその説明

以下、よく使用される"COMMAND"と、その説明をいくつか紹介します。

文字列検索

  • FIND: 指定した部分文字列が、対象となる文字列内に出現するかどうかを調べます。
string(FIND <variable> <string> <substring> [<start> [<end>]])
  • REGEX MATCH: 正規表現を用いて、対象となる文字列がパターンに一致するかどうかを調べます。
string(REGEX MATCH <variable> <string> <pattern>)
    string(REGEX MATCHALL <variable> <matches> <string> <pattern>)
    

    文字列置換

    • REPLACE: 対象となる文字列内の部分文字列を、別の文字列に置換します。
    string(REPLACE <variable> <string> <old> <new> [<count>])
    
      string(REGEX REPLACE <variable> <string> <pattern> <replace>)
      

      文字列比較

      • EQUAL: 2つの文字列が等しいかどうかを調べます。
      string(EQUAL <variable> <string1> <string2>)
      
      • COMPARE: 2つの文字列の大小関係を調べます。
      string(COMPARE <variable> <result> <string1> <string2>)
      

      その他

      • COPY: 1つの文字列を別の変数にコピーします。
      string(COPY <variable1> <variable2>)
      
      • APPEND: 1つの文字列に別の文字列を追加します。
      string(APPEND <variable> <string>)
      
      • LENGTH: 文字列の長さを取得します。
      string(LENGTH <variable> <string>)
      
      • TOLOWER: 文字列をすべて小文字に変換します。
      string(TOLOWER <variable> <string>)
      
        string(TOUPPER <variable> <string>)
        

        ユースケース

        "string()"コマンドは、様々なユースケースで活用できます。以下、具体的な例を紹介します。

        ファイルパス操作

        • ソースコードディレクトリのパスを取得する
        string(GET_PROPERTY DIRECTORY "SOURCE_DIR" MY_SOURCE_DIR)
        
        • 特定のライブラリが存在するかどうかを確認する
        string(FIND_LIBRARY MY_LIBRARY libfoo [PATHS ${MY_SOURCE_DIR}/lib])
        

        文字列の連結と加工

        • プロジェクトの名前とバージョンを組み合わせて出力する
        string(CONCAT PROJECT_NAME "MyProject " VERSION "1.0")
        message(STATUS "Project: ${PROJECT_NAME}")
        
        • コマンドライン引数を配列として処理する
        foreach(ARG ${ARGV})
          string(APPEND ARG_LIST "${ARG} ")
        endforeach()
        

        テンプレート処理

        • 設定ファイルを読み込み、変数に格納する
        configure_file(path/to/config.txt path/to/output.txt)
        
        • ソースコードに文字列を埋め込む
        add_source(myprogram.cpp main.cpp)
        target_sources(myprogram.cpp PRIVATE configure_file
        


        CMakeにおける"string()"コマンドのサンプルコード

        文字列検索

        以下のコードは、"string(FIND)"コマンドを使用して、"Hello, World!"という文字列の中に"World"という部分文字列が存在するかどうかを調べます。

        string(FIND MY_RESULT "Hello, World!" "World")
        
        if(MY_RESULT STREQUAL -1)
          message(STATUS "The substring 'World' is not found.")
        else()
          message(STATUS "The substring 'World' is found at position ${MY_RESULT}.")
        endif()
        

        文字列置換

        以下のコードは、"string(REPLACE)"コマンドを使用して、"CMake Tutorial"という文字列の中の"Tutorial"を"Guide"に置換します。

        string(REPLACE MY_NEW_STRING "CMake Guide" "CMake Tutorial")
        
        message(STATUS "The replaced string is: ${MY_NEW_STRING}")
        

        文字列比較

        以下のコードは、"string(COMPARE)"コマンドを使用して、"apple"と"orange"という文字列を比較します。

        string(COMPARE MY_RESULT LESS "apple" "orange")
        
        if(MY_RESULT EQUAL -1)
          message(STATUS "'apple' is less than 'orange'.")
        elseif(MY_RESULT EQUAL 0)
          message(STATUS "'apple' is equal to 'orange'.")
        else()
          message(STATUS "'apple' is greater than 'orange'.")
        endif()
        

        ファイルパス操作

        以下のコードは、"string(GET_PROPERTY)"コマンドを使用して、現在のソースコードディレクトリのパスを取得します。

        string(GET_PROPERTY DIRECTORY "SOURCE_DIR" MY_SOURCE_DIR)
        
        message(STATUS "The source directory is: ${MY_SOURCE_DIR}")
        

        文字列連結と加工

        以下のコードは、"string(CONCAT)"コマンドを使用して、プロジェクトの名前とバージョンを組み合わせて、1つの変数に格納します。

        set(PROJECT_NAME "MyProject")
        set(VERSION "1.0")
        
        string(CONCAT PROJECT_FULL_NAME "${PROJECT_NAME} ${VERSION}")
        
        message(STATUS "The full project name is: ${PROJECT_FULL_NAME}")
        

        テンプレート処理

        以下のコードは、"configure_file()"コマンドを使用して、設定ファイルを読み込み、変数に格納します。

        configure_file(path/to/input.txt path/to/output.txt)
        
        set(MY_VARIABLE ${CONFIGURE_FILE_CONTENTS})
        
        message(STATUS "The value of MY_VARIABLE is: ${MY_VARIABLE}")
        


        "string()"コマンドの代替方法

        変数直接操作

        単純な文字列操作であれば、変数直接操作で済ませることも可能です。例えば、以下のコードは、"Hello, World!"という文字列を小文字に変換しています。

        set(MY_STRING "Hello, World!")
        
        string(TOLOWER MY_STRING_LOWER ${MY_STRING})
        
        message(STATUS "The lowercase string is: ${MY_STRING_LOWER}")
        

        この方法であれば、"string()"コマンドを使用するよりもコードが簡潔になります。

        テンプレートエンジン

        より複雑な文字列操作を行う場合は、テンプレートエンジンを使用するのが有効です。CMake には、いくつかテンプレートエンジンが組み込まれています。

        • Qt5 Templates: Qt フレームワークで使用されるテンプレートエンジンです。
        • Doxygen: ドキュメンテーション生成ツールで使用されるテンプレートエンジンです。
        • CMake Modules: 独自のテンプレートエンジンを作成することも可能です。

        テンプレートエンジンを使用することで、複雑な文字列操作を、よりわかりやすく記述することができます。

        外部ライブラリ

        特定の文字列操作機能が必要な場合は、外部ライブラリを使用することができます。CMake では、様々な外部ライブラリを簡単に利用することができます。

        • Boost: C++ 標準ライブラリを拡張するライブラリです。
        • Perl Regular Expressions: 正規表現操作のためのライブラリです。
        • Python: スクリプト言語として、様々な機能を提供します。

        外部ライブラリを使用することで、より高度な文字列操作が可能になります。

        その他の代替方法

        上記以外にも、状況に応じて様々な代替方法があります。

        • リスト操作: 文字列をリストとして扱い、リスト操作関数を使用する。
        • 算術演算: 文字列の長さを取得したり、部分文字列を抽出したりする際に、算術演算を使用する。
        • 条件分岐: 文字列の内容に応じて、処理を分岐させる。

        常に最適な方法は 1 つとは限りません。状況に応じて、最も適切な方法を選択することが重要です。

        "string()"コマンドを使用するべきかどうか判断する際のヒント:

        • 操作が単純かどうか
        • 処理速度が重要かどうか
        • コードの可読性を重視するかどうか
        • 将来的にコードを変更する可能性があるかどうか

        これらの点を考慮することで、適切な方法を選択することができます。

        "string()"コマンドは、CMake における強力な文字列操作ツールですが、必ずしも最適な方法ではありません。状況に応じて、様々な代替方法を検討することが重要です。

        上記で紹介した代替方法を理解することで、より柔軟で効率的な CMake コードを書くことができます。