ESLint の "no-await-in-loop" ルールについて
ESLint の "no-await-in-loop" ルールについて
no-await-in-loop
ルールは、JavaScript の for
ループや while
ループなどのループ内で await
キーワードを使用することを禁止する ESLint ルールです。このルールは、パフォーマンスとコードの読みやすさを向上させることを目的としています。
問題点
ループ内で await
キーワードを使用すると、以下の問題が発生する可能性があります。
- パフォーマンスの低下: ループ内で
await
キーワードを使用すると、毎回非同期操作が完了するのを待つため、パフォーマンスが低下する可能性があります。 - コードの読みにくさ: ループ内で
await
キーワードを使用すると、コードが読みにくくなり、メンテナンスが困難になる可能性があります。
解決策
ループ内で await
キーワードを使用する代わりに、以下の方法を検討してください。
- **Promise.all()
を使用する**: 複数の非同期操作を並行して実行する場合は、
Promise.all()` 関数を使用することができます。 - ループを分割する: ループ内で複数の非同期操作を実行する必要がある場合は、ループを分割することができます。
- 非同期操作を再帰的に呼び出す: 非同期操作を再帰的に呼び出すことで、ループ内で
await
キーワードを使用せずに実行することができます。
例外
以下の場合は、ループ内で await
キーワードを使用しても問題ありません。
- ループ内の各反復処理で異なる情報を必要とする場合: ループ内の各反復処理で異なる情報を必要とする場合は、ループ内で
await
キーワードを使用する必要があります。 - エラー処理を行う場合: エラー処理を行う場合は、ループ内で
await
キーワードを使用する必要があります。
例
以下のコードは、no-await-in-loop
ルールに違反しています。
async function fetchUsers() {
const users = [];
for (let i = 0; i < 10; i++) {
const user = await fetchUser(i);
users.push(user);
}
return users;
}
このコードを修正するには、以下のいずれかの方法を使用することができます。
- Promise.all()` を使用する:
async function fetchUsers() {
const userIds = [0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9];
const promises = userIds.map(fetchUser);
const users = await Promise.all(promises);
return users;
}
- ループを分割する:
async function fetchUsers() {
const users = [];
for (let i = 0; i < 5; i++) {
const user = await fetchUser(i);
users.push(user);
}
for (let i = 5; i < 10; i++) {
const user = await fetchUser(i);
users.push(user);
}
return users;
}
- 非同期操作を再帰的に呼び出す:
async function fetchUsers(userIds = [0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9]) {
if (userIds.length === 0) {
return [];
}
const user = await fetchUser(userIds[0]);
const remainingUsers = await fetchUsers(userIds.slice(1));
return [user].concat(remainingUsers);
}
no-await-in-loop
ルールは、パフォーマンスとコードの読みやすさを向上させるために役立つルールです。ループ内で await
キーワードを使用する前に、このルールの意図を理解し、適切な解決策を選択することが重要です。
追加情報
問題のあるコード
async function fetchUsers() {
const users = [];
for (let i = 0; i < 10; i++) {
const user = await fetchUser(i);
users.push(user);
}
return users;
}
このコードは、以下の理由で問題があります。
- コードが読みにくく、メンテナンスが困難です。
解決策 1: Promise.all() を使用する
以下のコードは、Promise.all()
関数を使用して、非同期操作を並行して実行します。これにより、パフォーマンスが向上し、コードが読みやすくなります。
async function fetchUsers() {
const userIds = [0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9];
const promises = userIds.map(fetchUser);
const users = await Promise.all(promises);
return users;
}
解決策 2: ループを分割する
以下のコードは、ループを 2 つの部分に分割し、それぞれで 5 回の非同期操作を実行します。これにより、コードが読みやすくなります。
async function fetchUsers() {
const users = [];
for (let i = 0; i < 5; i++) {
const user = await fetchUser(i);
users.push(user);
}
for (let i = 5; i < 10; i++) {
const user = await fetchUser(i);
users.push(user);
}
return users;
}
解決策 3: 非同期操作を再帰的に呼び出す
以下のコードは、非同期操作を再帰的に呼び出すことで、ループ内で await
キーワードを使用せずに実行します。
async function fetchUsers(userIds = [0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9]) {
if (userIds.length === 0) {
return [];
}
const user = await fetchUser(userIds[0]);
const remainingUsers = await fetchUsers(userIds.slice(1));
return [user].concat(remainingUsers);
}
for...of
ループを使用して非同期操作を繰り返すコード- 非同期操作を条件式で使用してコード
"no-await-in-loop" ルールの代替方法
ESLint の no-await-in-loop
ルールは、ループ内で await
キーワードを使用することを禁止します。これは、パフォーマンスとコードの読みやすさを向上させるために役立つルールですが、常に従う必要があるわけではありません。
代替方法
Promise.all()
を使用する: 複数の非同期操作を並行して実行する場合に有効です。
async function fetchUsers() {
const userIds = [0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9];
const promises = userIds.map(fetchUser);
const users = await Promise.all(promises);
return users;
}
- ループを分割する: 処理を複数の小さなループに分割することで、コードを読みやすくすることができます。
async function fetchUsers() {
const users = [];
for (let i = 0; i < 5; i++) {
const user = await fetchUser(i);
users.push(user);
}
for (let i = 5; i < 10; i++) {
const user = await fetchUser(i);
users.push(user);
}
return users;
}
- 非同期操作を再帰的に呼び出す: 再帰関数を使用して、非同期操作をループ内で呼び出すことができます。
async function fetchUsers(userIds = [0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9]) {
if (userIds.length === 0) {
return [];
}
const user = await fetchUser(userIds[0]);
const remainingUsers = await fetchUsers(userIds.slice(1));
return [user].concat(remainingUsers);
}
- ループ内で
await
を使用する: 上記の方法が適切でない場合は、ループ内でawait
を使用する必要がある場合があります。ただし、パフォーマンスへの影響とコードの読みやすさを考慮する必要があります。
- ルールを無効にする**: 特定の状況では、
no-await-in-loop
ルールを無効にする必要がある場合があります。 - 例外を許可する**: ルールを構成して、特定の例外を許可することができます。
no-await-in-loop
ルールは、有用なガイドラインですが、状況に応じて柔軟に対応することが重要です。上記の代替方法を検討し、パフォーマンス、コードの読みやすさ、そして開発者の好みを考慮して最適な解決策を選択してください。