MariaDB の "SQL Statements & Structure" に関連する "mysql.columns_priv Table" のプログラミング解説
MariaDB の "SQL Statements & Structure" に関連する "mysql.columns_priv Table" のプログラミング解説
mysql.columns_priv Table とは
mysql.columns_priv
テーブルは、MariaDB 5.1.0以降で導入されたテーブルであり、データベース内の列に対するアクセス権限を制御するために使用されます。このテーブルには、以下の情報が含まれています。
Host
: クライアントホスト名User
: ユーザー名Db
: データベース名Table_name
: テーブル名Column_name
: 列名Privileges
: 列に対するアクセス権限
Privileges 列の値
Privileges
列には、列に対するアクセス権限が文字列として格納されます。許可されるアクセス権限は以下の通りです。
C
: 列の値の閲覧U
: 列の値の更新X
: 列の値の削除I
: 列への挿入
複数のアクセス権限を組み合わせることもできます。例えば、CU
は列の値の閲覧と更新を許可します。
例
以下の例は、mydatabase
データベースの mytable
テーブルの mycolumn
列に対するアクセス権限を user1
ユーザーに付与する方法を示しています。
GRANT SELECT, UPDATE ON mydatabase.mytable TO user1@'localhost';
このクエリを実行すると、mysql.columns_priv
テーブルに以下の行が追加されます。
Host | User | Db | Table_name | Column_name | Privileges
-------+-------+-------+------------+------------+-----------
localhost | user1 | mydatabase | mytable | mycolumn | CU
注意点
mysql.columns_priv
テーブルは、手動で編集しないことをお勧めします。誤った編集は、データベースへのアクセス権限に問題を引き起こす可能性があります。- 列に対するアクセス権限を制御するには、
GRANT
およびREVOKE
ステートメントを使用することをお勧めします。
プログラミングにおける活用
mysql.columns_priv
テーブルは、データベース内の列に対するアクセス権限を制御するために使用できます。これは、アプリケーション開発において、データベースへのアクセスを制限し、セキュリティを向上させるために役立ちます。
具体的には、以下の用途に使用できます。
- 特定のユーザーまたはグループに対して、特定の列へのアクセスを許可または拒否する
- 列に対するアクセス権限を監査する
以下の例は、myapplication
というアプリケーションが mydatabase
データベースの mytable
テーブルの mycolumn
列にアクセスできるようにするコードを示しています。
import mysql.connector
# データベースへの接続
db = mysql.connector.connect(
host="localhost",
user="myappuser",
password="myapppassword",
database="mydatabase"
)
# 列に対するアクセス権限を付与する
cursor = db.cursor()
cursor.execute("GRANT SELECT, UPDATE ON mydatabase.mytable TO 'myappuser'@'localhost'");
db.commit()
# アプリケーションで列にアクセスする
cursor.execute("SELECT * FROM mydatabase.mytable")
for row in cursor:
print(row[0], row[1])
db.close()
GRANT SELECT, UPDATE ON mydatabase.mytable TO 'user1'@'localhost';
このクエリは、user1
ユーザーに mydatabase
データベースの mytable
テーブルの全ての列に対する SELECT
および UPDATE
アクセス権限を付与します。
REVOKE UPDATE ON mydatabase.mytable FROM 'user1'@'localhost';
特定のデータベース内の全ての列に対するアクセス権限を user1 ユーザーに付与する
GRANT SELECT, UPDATE ON *.* TO 'user1'@'localhost';
このクエリは、user1
ユーザーに localhost
ホストからアクセスできる全てのデータベースの全ての列に対する SELECT
および UPDATE
アクセス権限を付与します。
mysql.columns_priv テーブルの内容を表示する
SELECT * FROM mysql.columns_priv;
特定のデータベースとテーブルに関連する行を mysql.columns_priv テーブルから抽出する
SELECT * FROM mysql.columns_priv
WHERE Db = 'mydatabase' AND Table_name = 'mytable';
このクエリは、mydatabase
データベースの mytable
テーブルに関連する行を mysql.columns_priv
テーブルから抽出します。
説明:
上記のコード例は、mysql.columns_priv
テーブルを操作するための基本的な方法を示しています。実際の使用例では、必要に応じてこれらのクエリを修正する必要があります。
"mysql.columns_priv テーブル" の代替方法
MySQL 8.0 以降では、mysql.columns_priv
テーブルの代わりに、以下の方法で列に対するアクセス権限を制御することができます。
- INFORMATION_SCHEMA.COLUMN_PRIVILEGES テーブル: このテーブルは、
mysql.columns_priv
テーブルとほぼ同じ情報を提供しますが、より詳細な情報が含まれています。また、このテーブルは、INFORMATION_SCHEMA スキーマの一部であるため、他の INFORMATION_SCHEMA テーブルと同様にクエリすることができます。 - GRANT オプション:
GRANT
ステートメントを使用して、列に対するアクセス権限を直接付与することができます。この方法の方が、mysql.columns_priv
テーブルを操作するよりもシンプルでわかりやすい場合があります。 - ロールベースのアクセス制御 (RBAC): RBAC を使用すると、ユーザーまたはグループにロールを割り当てることで、列に対するアクセス権限を管理することができます。これは、複雑なアクセス権限構造を管理する必要がある場合に役立ちます。
各方法の詳細
INFORMATION_SCHEMA.COLUMN_PRIVILEGES テーブル
INFORMATION_SCHEMA.COLUMN_PRIVILEGES
テーブルは、mysql.columns_priv
テーブルとほぼ同じ情報を提供しますが、以下の点で優れています。
- 列名だけでなく、列データ型に関する情報も含まれています。
- 特定の列に対するアクセス権限を持つすべてのユーザーとグループを表示できます。
mysql.columns_priv
テーブルよりもクエリのパフォーマンスが優れている場合があります。
以下のクエリは、INFORMATION_SCHEMA.COLUMN_PRIVILEGES
テーブルを使用して、mydatabase
データベースの mytable
テーブルの mycolumn
列に対するアクセス権限を持つすべてのユーザーとグループを表示する方法を示しています。
SELECT *
FROM INFORMATION_SCHEMA.COLUMN_PRIVILEGES
WHERE TABLE_SCHEMA = 'mydatabase'
AND TABLE_NAME = 'mytable'
AND COLUMN_NAME = 'mycolumn';
GRANT オプション
GRANT
ステートメントを使用して、列に対するアクセス権限を直接付与することができます。この方法は、以下の点で利便性があります。
mysql.columns_priv
テーブルを操作する必要がなく、構文がシンプルでわかりやすいです。- 列だけでなく、テーブルまたはデータベース全体に対するアクセス権限も付与できます。
GRANT SELECT, UPDATE ON mydatabase.mytable.mycolumn TO 'user1'@'localhost';
ロールベースのアクセス制御 (RBAC)
以下の手順は、RBAC を使用して mydatabase
データベースの mytable
テーブルの mycolumn
列に対するアクセス権限を管理する方法を示しています。
myrole
という名前のロールを作成します。
CREATE ROLE myrole;
myrole
ロールにSELECT
およびUPDATE
アクセス権限を付与します。
GRANT SELECT, UPDATE ON mydatabase.mytable.mycolumn TO myrole;
user1
ユーザーにmyrole
ロールを割り当てます。
GRANT myrole TO 'user1'@'localhost';
これで、user1
ユーザーは、myrole
ロールに付与されたアクセス権限を持つため、mydatabase
データベースの mytable
テーブルの mycolumn
列にアクセスすることができます。
mysql.columns_priv
テーブルは、MySQL 8.0 以降では推奨されていません。列に対するアクセス権限を制御するには、INFORMATION_SCHEMA.COLUMN_PRIVILEGES
テーブル、GRANT
オプション、または RBAC を使用することをお勧めします。