Pandas Series.str.match メソッドの解説


Pandas Series.str.match メソッドの解説

pandas.Series.str.match メソッドは、pandas.Series オブジェクト内の各文字列が正規表現と一致するかどうかを調べます。一致した場合は True 、一致しない場合は False を返します。

このメソッドは、データフレーム内のテキストデータを処理する際に役立ちます。例えば、特定のパターンを含む行を抽出したり、テキストデータの形式を検証したりするのに使用できます。

構文

series.str.match(pat, case=True, flags=0, na_value=None)

引数

  • pat: 正規表現パターンを表す文字列
  • case: 大小文字を区別するかどうかのフラグ。デフォルトは True (大文字小文字を区別)
  • na_value: NA 値を表す値。デフォルトは None

戻り値

  • pandas.Series オブジェクト。各要素は、対応する文字列がパターンと一致するかどうかを示すブール値です。

以下の例では、data という名前の pandas.Series オブジェクトがあり、各要素に名前が含まれています。\w+ という正規表現を使用して、各名前が英数字のみで構成されているかどうかを確認します。

import pandas as pd

data = pd.Series(['Alice', 'Bob', 'Charlie', 'David'], name='names')

result = data.str.match('\w+')

print(result)

このコードは以下の出力を生成します。

0    True
1    True
2    True
3    True
Name: names, dtype: bool

すべての名前が英数字のみで構成されているため、すべての要素が True になります。

  • pandas.Series.str.match メソッドは、pandas.Series オブジェクトだけでなく、pandas.DataFrame オブジェクトの列にも適用できます。
  • より複雑なパターン処理には、pandas.Series.str.extract メソッドを使用できます。このメソッドは、パターンに一致する部分文字列を抽出します。


この例では、data という名前の pandas.Series オブジェクトがあり、各要素にメールアドレスが含まれています。正規表現 @[\w.]+ を使用して、有効なメールアドレス形式かどうかを確認します。

import pandas as pd

data = pd.Series(['[email protected]', '[email protected]', '[email protected]', '[email protected]', 'invalidEmail'], name='emails')

valid_emails = data.str.match('@[\w.]+')

print(data[valid_emails])
0    [email protected]
1    [email protected]
2    [email protected]
3    [email protected]
Name: emails, dtype: object

@[\w.]+ という正規表現は、次の条件を満たすメールアドレスと一致します。

  • @ 記号で始まる
  • 1文字以上の英数字 (\w) またはピリオド (.) で構成された部分を含む
  • アットマーク (@) と最初のピリオド (``) の間には少なくとも 1 文字の英数字が含まれている

valid_emails には、data シリーズ内の有効なメールアドレスのみが含まれます。

例 2:テキストデータの形式を検証する

この例では、data という名前の pandas.Series オブジェクトがあり、各要素に電話番号が含まれています。正規表現 \d{3}-\d{3}-\d{4} を使用して、電話番号が正しい形式かどうかを確認します。

import pandas as pd

data = pd.Series(['123-456-7890', '987-654-3210', '1234567890', '(123) 456-7890'], name='phone_numbers')

valid_phone_numbers = data.str.match('\d{3}-\d{3}-\d{4}')

print(data[valid_phone_numbers])
0    123-456-7890
1    987-654-3210
Name: phone_numbers, dtype: object

\d{3}-\d{3}-\d{4} という正規表現は、次の条件を満たす電話番号と一致します。

  • 3桁の数字 (\d{3}) が 3 回続く
  • 数字のグループ間にハイフン (-) が 2 つある

valid_phone_numbers には、data シリーズ内の正しい形式の電話番号のみが含まれます。

例 3:部分一致を見つける

この例では、data という名前の pandas.Series オブジェクトがあり、各要素に製品名が含まれています。"app" という文字列を含む製品名を見つけるために、部分一致を使用します。

import pandas as pd

data = pd.Series(['iPhone 13', 'Samsung Galaxy S22', 'Google Pixel 6', 'OnePlus 10 Pro'], name='products')

matching_products = data.str.contains('app', case=False)

print(data[matching_products])
0    iPhone 13
2    Google Pixel 6
Name: products, dtype: object

contains メソッドは、部分一致を検出するために使用されます。case=False オプションを指定することで、大文字小文字を区別せずに検索できます。

matching_products には、"app" という文字列を含む data シリーズ内の製品名のみが含まれます。

これらの例は、pandas.Series.str.match メソッドの使用方法をほんの一例です。このメソッドは、データフレーム内のテキストデータを処理する際に強力なツールとなる可能性があります。

  • 特定の単語で始まるまたは終わる行を抽出する
  • 特定の文字列を含む行を置換する
  • テキストデータから部分を抽出する


pandas.Series.str.contains を使用する:

pandas.Series.str.contains メソッドは、pandas シリーズ内の各文字列が特定のサブストリングを含むかどうかを調べます。pandas.Series.str.match と同様に、ブール値の Series オブジェクトを返します。

pandas.Series.str.contains を使用する利点は、よりシンプルで読みやすい構文であることです。正規表現を理解する必要がなく、単純な部分一致検索を実行する場合に適しています。

import pandas as pd

data = pd.Series(['apple', 'banana', 'cherry', 'orange'], name='fruits')

# 「a」を含む果物を抽出する
fruits_with_a = data.str.contains('a')
print(fruits_with_a)
0    True
1    True
2    False
3    True
Name: fruits, dtype: bool

re.search を使用する:

re.search 関数は、正規表現パターンが文字列の先頭で一致するかどうかを調べます。pandas.Series.str.match と同様に、ブール値の Series オブジェクトを返します。

re.search を使用する利点は、より柔軟なパターンマッチングが可能であることです。pandas.Series.str.matchよりも複雑なパターンを使用する必要がある場合に適しています。

import pandas as pd
import re

data = pd.Series(['apple', 'banana', 'cherry', 'orange'], name='fruits')

# 「an」を含む果物を抽出する
fruits_with_an = data.apply(lambda x: re.search('an', x))
print(fruits_with_an)
0    <re.Match object; span=(0, 2), match='an'>
1    <re.Match object; span=(1, 3), match='an'>
2    None
3    None
Name: fruits, dtype: object

vectorized 関数を使用する:

vectorized 関数は、pandas シリーズ内の各要素にカスタム関数を実行するために使用できます。この方法は、より柔軟性と制御性を提供しますが、同時に複雑さも増します。

vectorized 関数を使用する利点は、独自のロジックを使用して文字列を照合できることです。pandas.Series.str.match または re.search で利用できないカスタム要件がある場合に適しています。

import pandas as pd

def match_pattern(text):
    # カスタムロジックを使用して文字列を照合する
    return 'an' in text

data = pd.Series(['apple', 'banana', 'cherry', 'orange'], name='fruits')

fruits_with_an = data.apply(match_pattern)
print(fruits_with_an)
0    True
1    True
2    False
3    False
Name: fruits, dtype: bool

最適な方法を選択する

使用する方法は、特定のニーズと要件によって異なります。

  • シンプルで読みやすい部分一致検索の場合は、pandas.Series.str.contains を使用します。
  • より複雑なパターンマッチングが必要な場合は、re.search を使用します。
  • 独自のロジックを使用して文字列を照合する必要がある場合は、vectorized 関数を使用します。

各方法の利点と欠点を比較検討し、状況に最も適した方法を選択することが重要です。

  • 性能が重要な場合は、pandas.Series.str.matchre.search よりも高速である可能性があります。
  • 正規表現を使用する場合は、パターンが明確で簡潔であることを確認してください。複雑な正規表現は、コードの読み取りと理解を困難にする可能性があります。
  • [re module documentation](https://docs