Qtでスムーズなスクロールを実現: QGraphicsView::updateSceneRect() の活用テクニック

2024-06-17

Qt Widgets: QGraphicsView::updateSceneRect() の解説

QGraphicsView::updateSceneRect() は、Qt Widgets ライブラリで提供される QGraphicsView クラスのメソッドです。このメソッドは、QGraphicsView ウィジェットが視覚化するシーンの矩形を更新するために使用されます。矩形を更新することで、スクロールバーの範囲を適切に調整することができます。

使用方法

updateSceneRect() メソッドは、以下の引数を取ります。

  • sceneRect: シーンの新しい矩形を表す QRectF オブジェクト

このメソッドを呼び出すと、QGraphicsView ウィジェットは次の処理を行います。

  1. シーンの新しい矩形を sceneRect() メソッドに渡された QRectF オブジェクトに設定します。
  2. シーンのコンテンツを新しい矩形内に収まるように再配置します。
  3. スクロールバーの範囲を新しい矩形に合わせて調整します。

以下のコード例は、QGraphicsView ウィジェットのシーンの矩形を (100, 100, 300, 300) に設定する方法を示しています。

QRectF sceneRect(100, 100, 300, 300);
graphicsView->updateSceneRect(sceneRect);

補足

  • updateSceneRect() メソッドは、シーンのコンテンツが変更されたときに呼び出すことをお勧めします。
  • このメソッドを呼び出すと、QGraphicsView ウィジェットは再描画されます。
  • シーンの矩形を変更しても、QGraphicsView ウィジェットが自動的にスクロールバーの範囲を調整するとは限りません。この場合は、updateSceneRect() メソッドを明示的に呼び出す必要があります。


    例 1: シーンの矩形を設定する

    この例では、QGraphicsView ウィジェットのシーンの矩形を (100, 100, 300, 300) に設定します。

    #include <QApplication>
    #include <QGraphicsView>
    #include <QGraphicsScene>
    
    int main(int argc, char *argv[]) {
      QApplication app(argc, argv);
    
      QGraphicsScene scene;
      QGraphicsView view(&scene);
    
      // シーンの矩形を設定
      QRectF sceneRect(100, 100, 300, 300);
      view.updateSceneRect(sceneRect);
    
      view.show();
    
      return app.exec();
    }
    

    例 2: シーンのコンテンツが変更されたときに矩形を更新する

    この例では、シーン内のアイテムが移動されたときに updateSceneRect() メソッドを呼び出して、シーンの矩形を更新します。

    #include <QApplication>
    #include <QGraphicsView>
    #include <QGraphicsScene>
    #include <QGraphicsItem>
    
    class MyItem : public QGraphicsItem {
    public:
      MyItem() {
        setFlags(QGraphicsItem::ItemIsMovable);
      }
    
    protected:
      void mouseMoveEvent(QGraphicsSceneMouseEvent *event) override {
        // アイテムが移動されたときに矩形を更新
        QGraphicsView *view = scene()->views().first();
        view->updateSceneRect(sceneRect());
    
        QGraphicsItem::mouseMoveEvent(event);
      }
    };
    
    int main(int argc, char *argv[]) {
      QApplication app(argc, argv);
    
      QGraphicsScene scene;
      QGraphicsView view(&scene);
    
      // アイテムを作成してシーンに追加
      MyItem *item = new MyItem;
      item->setPos(100, 100);
      scene.addItem(item);
    
      view.show();
    
      return app.exec();
    }
    

    説明

    • 例 1 では、updateSceneRect() メソッドを直接呼び出して、シーンの矩形を設定しています。
    • 例 2 では、MyItem クラスを作成して、シーン内のアイテムが移動されたときに updateSceneRect() メソッドを呼び出すようにしています。

    これらの例は、QGraphicsView::updateSceneRect() メソッドをさまざまな状況で使用する方法を示しています。

    補足

    • シーンの矩形を変更しても、QGraphicsView ウィジェットが自動的にスクロールバーの範囲を調整するとは限りません。この場合は、updateSceneRect() メソッドを呼び出すと同時に、horizontalScrollBar()->setRange()verticalScrollBar()->setRange() などのメソッドを使用してスクロールバーの範囲を明示的に設定する必要があります。


    QGraphicsView::updateSceneRect() の代替方法

    fitInView() メソッドは、シーン内のすべてのアイテムを QGraphicsView ウィジェットの可視領域に収まるように調整します。このメソッドは、シーンの矩形を計算する必要がなく、シンプルで使いやすい方法です。

    view->fitInView();
    

    setSceneRect() メソッドは、シーンの矩形を直接設定します。このメソッドは、updateSceneRect() メソッドよりも低レベルな方法ですが、より詳細な制御を提供します。

    QRectF sceneRect(100, 100, 300, 300);
    scene->setSceneRect(sceneRect);
    

    QGraphicsScene::itemsBoundingRect() メソッドを使用する

    itemsBoundingRect() メソッドは、シーン内のすべてのアイテムの境界矩形を返します。この矩形を使用して、updateSceneRect() メソッドに渡す矩形を作成することができます。

    QRectF sceneRect = scene->itemsBoundingRect();
    view->updateSceneRect(sceneRect);
    

    ハンドラーを使用する

    シーンの矩形を動的に更新したい場合は、QGraphicsScene クラスの handleSceneRectChanged() シグナルに接続するハンドラーを作成することができます。

    void handleSceneRectChanged(const QRectF &newSceneRect) {
      // 新しい矩形を使用して処理を行う
    }
    
    scene->connect(scene, &QGraphicsScene::sceneRectChanged, this, &handleSceneRectChanged);
    

    最適な方法の選択

    どの代替方法が最適かは、状況によって異なります。以下の点を考慮して選択してください。

    • シンプルさ: fitInView() メソッドは最もシンプルで、多くの場合で十分です。
    • 制御: setSceneRect() メソッドは、より詳細な制御を提供します。
    • パフォーマンス: itemsBoundingRect() メソッドは、シーン内のアイテムが多い場合にパフォーマンスが低下する可能性があります。
    • 動的な更新: ハンドラーを使用すると、シーンの矩形が動的に更新されたときに処理を行うことができます。

    QGraphicsView::updateSceneRect() は便利なメソッドですが、常に最適な方法とは限りません。状況に応じて、上記の代替方法を検討することをお勧めします。