【エンジニア向け】RAGの常識を覆す!ストレージ97%削減のプライベート検索技術「LEANN」徹底解説
こんにちは!未来の技術を形にするソフトウェアエンジニアの皆さん、お疲れ様です。
今回ご紹介するのは、まるで「どこでもドア」のように、皆さんの開発環境に革命をもたらすかもしれない、すごい道具(ライブラリ)、「LEANN」です。
yichuan-wさんが開発されたこのライブラリは、皆さんが今注目している「RAG (Retrieval-Augmented Generation / 検索拡張生成)」という技術を、速く、正確に、そして何よりもプライベートに、個人のデバイスで実現するための画期的なアプローチを提供します。
RAGを実装する際、最大の課題の一つは「ベクトルデータベースの肥大化」です。大量の文書の埋め込み(Embedding)を事前に計算して保存するため、すぐにディスク容量を圧迫し、クラウド費用もかさみます。
しかし、LEANNは、その課題を解決します。
LEANNの最大の特徴は、従来のベクトルデータベースが全ての埋め込みを保存するのに対し、埋め込みを保存せず、必要な時に「グラフベースの選択的再計算」によってオンデマンドで生成する点です。
エンジニアのメリット
大規模なナレッジベース(数百万のドキュメント)を個人のラップトップやエッジデバイスに保持できます。
巨大なインデックスを転送する手間や時間を大幅に削減できます。まるでスモールライトで知識ベースを小さくしたかのようです。
全ての処理をローカルデバイスで完結させるため、機密性の高いデータや個人情報(ファイルシステム、メール、チャット履歴など)に対しても、クラウドにデータを送ることなくRAGを適用できます。
エンジニアのメリット
社内ドキュメントやプライベートなコードベースなど、外部に出せないデータを扱うアプリケーションの開発に最適です。
コンプライアンス要件が厳しいプロジェクトでの採用が容易になります。
インデックスサイズが小さいため、知識ベース全体を低コストでデバイス間で移動したり、他のチームメンバーと共有したりすることが非常に簡単になります。
エンジニアのメリット
開発環境のセットアップが迅速になり、CI/CDパイプラインやテスト環境でのデータ同期が容易になります。
導入は非常にシンプルです。Pythonのパッケージとして提供されています。
uv(高速なPythonパッケージインストーラ)またはpipを使ってインストールします。
# uvを使う場合 (推奨)
uv pip install leann
# pipを使う場合
pip install leann
LEANNは、ビルダ (Builder) とサーチャー (Searcher) のクラスを使って、簡単にRAGシステムを構築できます。
| ステップ | 概要 | 役割 |
| ビルド (Indexing) | ドキュメントを読み込み、埋め込みグラフを構築します。埋め込み自体は保存しません。 | LeannBuilder |
| ロード (Loading) | 構築したグラフをメモリにロードします。 | LeannSearcher |
| 検索 (Searching) | クエリに基づいて、グラフから関連ドキュメントを高速に検索します。 | LeannSearcher.search() |
ここでは、いくつかのテキストデータからインデックスを作成し、検索する基本的な例をご紹介します。
from leann import LeannBuilder, LeannSearcher
import os
# 1. 構築用のデータ準備
# 実際にはファイルやデータベースから読み込みます。
documents = [
"LEANNは、個人デバイスでのRAGを実現するストレージ効率の高いベクトルデータベースです。",
"グラフベースの選択的再計算により、埋め込みの保存を回避し、97%のストレージを削減します。",
"この技術は、プライベートなデータセットに対するセマンティック検索を可能にします。",
"Pythonライブラリとして提供され、インストールは非常に簡単です。"
]
# インデックスファイルの保存先
INDEX_PATH = "./my_leann_index"
# --- 1. インデックスの構築 (LeannBuilder) ---
print("--- インデックス構築中 ---")
builder = LeannBuilder(
index_path=INDEX_PATH,
# 使用する埋め込みモデルを指定(デフォルトは効率的なモデルが使われます)
model_name="BAAI/bge-small-en-v1.5"
)
# ドキュメントをインデックスに追加(ドキュメントIDとテキストのペア)
for i, doc in enumerate(documents):
builder.add_document(doc_id=f"doc_{i}", text=doc)
# インデックスをディスクに書き出す(グラフ構造のみ)
builder.build()
print(f"インデックスが {INDEX_PATH} に保存されました。")
# --- 2. 検索の実行 (LeannSearcher) ---
print("\n--- 検索実行中 ---")
searcher = LeannSearcher(index_path=INDEX_PATH)
# 検索クエリ
query = "ストレージ効率の高いRAG技術は?"
# 検索を実行し、最も関連性の高い上位K件を取得 (ここではk=2)
# 検索時に必要な埋め込みがオンデマンドで再計算されます!
results = searcher.search(query=query, k=2)
print(f"**クエリ:** {query}")
print("\n**検索結果:**")
# 検索結果を表示
for rank, result in enumerate(results):
print(f"[{rank + 1}位] スコア: {result.score:.4f}, ID: {result.doc_id}")
# result.text には元のテキストデータが含まれます
print(f" -> テキスト: {result.text[:50]}...")
この「LEANN」という道具は、皆さんの持つ知識を「どこでもドア」でどこへでも持ち運び、「スモールライト」で小さくしてプライベートな場所にしまっておけるような、そんな未来を実現してくれます。